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中流サラリーマンが居を構えていた郊外の住宅地では「Sae(売り出し中この看板を掲げた売り家が目立ち、不況感を一層際立たせていた。
選挙前までは、米自動車関係者の間で「一九八○、九○年代のような日米自動車摩擦が再燃することはない」とする見方が根強かった。
その根拠とされたのが、米国で販売される日本車の多くが輸出から現地生産に切り替わっている点だ。
トヨタは○六年十一月十七日に稼働したテキサスエ場に続き、カナダ新工場やメキシコエ場の増産などを矢継ぎ早に発表。
○八年に年間二百万台と、ビッグスリー並みの生産能力を整える。
「ディーラーやサプライヤーの人たちと一緒に何十万という仕事を作り出すことを通じて、米国の一部であることを誇りに思っています」。
トヨタは○五年一月からこんなイメージCMをCNNテレビなど全米ネットワークの電波に乗せ、一雇用や地域経済などで米国に貢献していることをアピールしている。
選挙の投開票から一週間後の十一月十四日。
ブッシュ大統領はホワイトハウスでビッグスリー首脳と初めて会談し、米メーカーの苦境ぶりに一定の理解を示した。
しかし民主党の新鋭で、黒人上院議員のオバマ氏はすかさず「会談自体は歓迎するが、(大統領は)言葉だけではなく、行動すべきだ」とする声明を発表、自動車を政治課題とするよう迫った。
○八年大統領選出馬をにらんだパフォーマンスとの見方が専らだが、仮に本格的な政治問題となれば、日本車の代表格であるトヨタに批判の矛先が向きかねない。
多数派を占める上下両院では、民主党が委員長ポストを独占する。
自動車、半導体、フィルムなど一九九○年代に数多くの対日要求が発信された下院歳入委員会の貿易小委員長。
このポストの就任が有力視されているのは対日強硬派のレビン氏で、ミシガン州の選出だ。
「米国の多くの家族にとって、トヨタ自動車は本当にありがたい存在です」。
二○○六年十一月十七日、テキサスエ場の完成式典。
特別ゲストとして招かれた全米家庭教育センター(NCFL)のシャロン・ダーリン代表は壇上で、T・S名誉会長にほほえみかけた。
工場完成を記念し、トヨタから六十万ドル(約七千万円)の寄付金が贈られた。
NCFLは、貧困家庭の親とその子供らに、読み書きなどの教育機会を無償で提供する民間非営利団体(NPO)。
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